どうも。さかりーにょです。
1戦目でドイツ相手に劇的な勝利を挙げた日本。その勢いそのままに迎えた2戦目のコスタリカ戦。
現実は、コスタリカの強固な守備ブロックに対して最後まで効果的な崩しを見せることができずに敗戦となった。
今回は、
日本はどのようにコスタリカの日本はどのようにコスタリカのブロックを攻略すべきだったのか?
の一点に絞り、その最適解をTime Series分析という手法を用いて徹底分析していく。
Time Series分析とは?
ゲームを経過時間ごとに5つに分けて分析していく手法
PHASE①:試合開始~10分
PHASE ②:10~20分
PHASE ➂:20~45分
PHASE ④:45~60分
PHASE ➄:60~90分
本記事の内容
2022FIFA World Cup QATARグループE第2節【日本VSコスタリカ】
スタメン
スタッツ
【Time Series分析】日本VSコスタリカ
Time Series分析では、各PHASEにおける日本代表のふるまいと問題点(PROBLEM)を分析し、その解決策(SOLUTION)を考察していく。
Time Series①:試合開始~10分
日本は攻撃時4-2-3-1でコスタリカの5-4-1のブロック打開を試みる。守備時は4-4-2で同サイド圧縮のゾーンディフェンス守備を実施する展開。コスタリカの左サイド中心のビルドアップに対して的確なスライドができているが、ボールの奪い切る役割を担っている堂安律選手と山根視来選手がキャンベルをはじめとするコスタリカ選手たちの強靭なフィジカルの前にボールを奪い切ることができず、ファールでしか止めることができない状態に陥る。
崩しにおけるPROBLEM:相手ディフェンスの背後を取ることができない
ブロックの前でのパス回しが続き、5枚のディフェンスラインの背後をとることができない展開が続く。
SOLUTION:『斜めラン』で背後をとる
例えば5人がほぼ横並びになっているコスタリカのディフェンスラインに対して、堂安のカットインに対して上田が斜めに走りこんでスルーパスを受ける動きがあれば、限られたスペースでも十分に相手の背後を取ることができた可能性が高いと分析。
Time Series ②:10~20分
依然としてコスタリカの左サイド重視のビルドアップとロングボールに対してボールを奪いきることができない。
攻撃では右WBの山根視来選手から効果的な『斜めの楔』が撃ち込まれるが、その楔を活かしてブロック侵入に繋げることができない。
崩しにおけるPROBLEM: 『斜めの楔』を活用した前進ができない
右WBの山根視来選手から効果的な『斜めの楔』が撃ち込まれた際にサポートする選手の距離、角度、タイミング、イメージの共有がなされていない。
SOLUTION:効果的な『斜めの楔』を活かすための『フリック&3人目』
右WBの山根視来選手から鎌田選手や上田選手に入る斜めの楔に対して、「フリック」&「3人目」の動きをすることで瞬間的に大きなチャンスを作ることが出来る可能性が高いと分析。
オフサイドになることなく、ボディコンタクトを受けにくいという特徴があるので日本の技術力と俊敏性を最大限に活かすことが出来る崩しの形であると分析。
Time Series ➂:20~45分
Time Series ①、②と同じような展開が続くが、日本は35分過ぎからプレスの形を4-4-2ではなく5-2-3の形にしてよりはめられるようになるが、相手IHが下がってボールを受けに行く動きに対してのマークが曖昧になり、後手を踏むケースが多くなる。
また、攻撃時には後方に不必要に選手が配置されている「後ろに重い状況」が続く。
崩しにおけるPROBLEM:サイドからのクロスに工夫がない
高さやフィジカルで勝るコスタリカの選手相手にクロスに対する工夫がない。
SOLUTION:ペナルティエリア角からシュータリングを上げる
引いて守る5枚のブロックを破るためには単調なクロスではなく、ペナルティエリアの角から「内巻き」のシュータリングクロスを上げることで得点の可能性を上げることが出来ると分析。
Time Series ④:45~60分
日本は3-4-2-1にシステムを変更し、コスタリカとミラーゲームの展開に突入する。
鎌田が外のレーンに開く場面が多くなり、そこにできたスペースに守田や遠藤が侵入してミドルシュートを打つことが出来るようになる。また、浅野がサイドに流れて攻撃の起点を作れるようになる。
しかし、伊藤選手がボールを保持した際に前向きの選択肢を用意することができない。
崩しにおけるPROBLEM:相手ブロック前でボールを持った時のアイデアが乏しい
相手ブロックの前で前向きでボールを保持した際のアイデアが乏しく、ゴールに直結する判断ができない。
SOLUTION:小さな「ロブ」を活用することで背後を取る
ブロック前でボールを持てる時間が増えてきたので「チップキック」でDFラインの背後にボールを共有し、ピンポイントで背後を突く崩しが有効であると分析。
特に、疲労が見え始めた60分過ぎからはディフェンスラインがフリーズしやすいために引いたブロックを崩すためには非常に効果的である。
Time Series ➄:60~90分
日本は60分過ぎに切り札三笘薫選手を投入して攻勢をかけるが、なかなか得意のドリブルを発揮することができる状況をつくれない。煮えきらない時間が続く中、「4つのミス」が重なりまさかの失点を喫してしまう。
PROBLEM:三笘薫選手がドリブルを仕掛けられる状況を作り出せない
SOLUTION:『アイソレーション』を活用して三笘選手の状況を整える
『アイソレーション』とは孤立という意味でドリブラーの能力を活かすためにあえてその選手を孤立させて1対1の状況を作り出す戦術である。日本代表は三笘選手の状況を整えるために意図的に右サイドでオーバーロードの状況を作りだすことで三笘選手をより効果的に活かすことができると分析。
さかりーにょEyes
守備を固められた時になかなか得点することができないという課題は日本代表が抱えてきた課題である。コスタリカ戦においてもラスト30mの崩しができずに敗北を喫してしまった。
本分析では、引いた相手のブロックを攻略するための解決策として5つの崩しのパターンを提示している。
本分析が引いた相手の守備ブロック攻略に頭を悩ますべての方のヒントになれば幸いである。
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