メソッド分析

『T.I.P.S』育成の最高峰アヤックスが開発した選手評価メソッドを公開!

どうもさかりーにょです。

世界一の育成組織と称されるアヤックス・アムステルダム(以下アヤックス)。

これまでにクライファートやセードルフ、デ・リフトやフレンキー・デ・ヨングなどそうそうたるメンバーを育成してきたアヤックスの育成最大の特徴は『T.I.P.S』という独自の選手評価・分析基準を持っていることだ。

今回は、そんな世界最高峰のアヤックスが誇る選手評価・分析基準である『T.I.P.S』を徹底分析していく。

『T.I.P.S』とは?

『T.I.P.S』とはアヤックス・アムステルダムが採用しいている独自の選手評価基準である。

『T.I.P.S』には4つの評価項目で構成されており、それぞれの項目は以下の通りである。

T:Technic – 技術

I:Insight – 洞察力

P:Personality – 人格

S:Speed – 速さ

選手の体の大きさやパワーという項目がT.I.P.Sの評価基準には含まれていないことが大きな特徴である。

これらの4項目は以下の通りにさらに細分化されていく。

T:Technic – 技術<8ファクター>

Tファクター①:ボールコントロール&ドリブル

・ランウィズザボール

・フェイント

・カット(方向変化)

Tファクター②:パス

・ショートインサイドパス

・左足

・右足

・ロングインステップキック

・左足

・右足

Tファクター➂:シュート

・シュート

・ロング

・ボレー

Tファクター④:クロス

・左足

・右足

・低い弾道

・高い弾道

Tファクター➄:トラップ

・左足

・右足

・もも

・胸

Tファクター⑥:ヘディング

・攻撃

・守備

Tファクター➆:1V1オフェンス

・相手を倒す能力

・得点する能力

Tファクター⑧:1V1ディフェンス

・ボールを奪う能力

・ボールに触る

・ボールを奪う速さ

・アクションのスピード

I:Insight – 洞察力<3ファクター>

Iファクター①:ボールポゼッション

・判断(決定)

コンビネーション能力

・パス能力

・観る(俯瞰的)

・ポジショナルプレー(気付き)

・ポジションの適正

Iファクター②:相手のポゼッション

・ディフェンディング

・プレッシング

・マーキング

・カバーリング

・ポジションの適正

・判断(決定)

Iファクター➂:基礎戦術理解

・判断(決定)

・ポジティブトランジッション

・ネガティブトランジッション

・戦術的役割への貢献度

・ゲーム理解

・予測

・任されているポジションでのプレー

P:Personality – 人格

・カリスマ性

・ゲームメンタリティ

・プレッシャーへの対処法

モチベーション

・積極性

・効率性

・メンタル強度

・練習意欲

・集中力

・コーチング

・社会性

・敬意

・創造性

・熱意

・リーダーシップ技術

・リーダーシップ

・自信

・勝者のメンタリティ

・自己犠牲

S:Speed – 速さ

・アスリートとしてのパーソナリティ

・初速

・10mスピード

・30mスピード

・30m以上のスピード

・ジャンプ力

・柔軟性

持久力

・機動性

さかりーにょeyes

数えきれないほどの名選手を輩出してきたアヤックス。育成における成功の秘訣は指導者や環境によってコロコロと変化することがないクラブとしての確かな育成理念とそれを実現するための体系化されたT.I.P.Sのようなシステムであると言える。

また、育成年代では徹底して3-4-3のフォーメーションを採用し、1対1のシーンが多く生み出されるような工夫を意図的に行っていることからもアヤックスの明確な育成ビジョンが伺える。

「差別化」が難しくなってきているサッカークラブにおいて、独自のビジョンを明確に打ち出し、そのビジョンを実現するためのメソッドを確立するというアヤックスの在り方は今後多くのクラブの指針となりえると分析。

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