Jリーグ ゲーム分析 ゴール前の崩し分析 ミクロ戦術分析

【横浜F・マリノス】マスカット式LAST30mにおける崩しの3パターンミクロ分析<2022第J1第19節VS清水>

どうも。さかりーにょです。

圧倒的な攻撃力でリーグを圧巻している横浜F・マリノス。その攻撃力の中でも特に注目すべきマスカット監督に入念に仕込まれた“思わず息を呑むようなゴール前LAST30mの崩し”であろう。

今回は、そんなゴール前における抜群のコンビネーションで大量得点を連発しているマスカット監督式ゴール前の崩しを2022第J1第19節VS清水エスパルス戦を基にミクロ分析していく。

スタメン

スタッツ

横浜F・マリノスラスト30mの崩しの特徴

“相手のペナルティエリア内でDFの背後をとる”

これが、横浜F・マリノスのラスト30mの崩しの最大の特徴である。

それでは、最もディフェンスの密度・強度共に高く、限られたスペースの中で一体どのように相手のペナルティエリア内で背後に侵入することができているのか。5回以上にわたり繰り返し試合を分析する中でマスカット式の3つの崩しのパターンが見えてきた。

マスカット式『ラスト30m崩しの3パターン』

横浜F・マリノスのゴールへの侵入傾向は以下の図の通りであるが、大きくは3つのパターンに分けることができると分析した。

ラスト30m崩しのパターン①:ライン間で受けてスルーパス<46分>

『ライン間で受けてスルーパス』という崩しは横浜F・マリノスが多用する崩しの形である。本試合でも頻繁にこのパターンが見られたが特に46分の得点シーンではこのパターンが綺麗に発動された。

西村拓真選手がライン間に侵入し、ボールを受け、相手を背負いながら反転。ボールが入る時点で連動して動き出していた水沼選手へスルーパス。ライン間の崩しを成立させている西村選手の「反転」する技術の高さが非常に際立った。

ラスト30m崩しのパターン②:幅の揺さぶりでディフェンスラインの距離を広げてスルーパス<40分

横浜F・マリノスが行うゴール前の崩しの2つ目のパターンは「効果的な横パスを駆使して相手DF同士の距離を広げ、スルーパスで背後をとる」というパターン。

ゴール前に強固なブロックを敷くチームが多いが、マリノスのブロックの外側を長短混ぜた横パスを駆使してスライドさせ続け、スライドの遅れやディフェンス同士の距離が開いたタイミングでスルーパスを狙う。

得点には至らなかったが40分に見せたシーンはこのパターンが分かりやすく体現されていた。

ラスト30m崩しのパターン➂:ワンツーを駆使した突破<51分>

横浜F・マリノスが行うゴール前の崩しの3つ目のパターンはワンツーを駆使した崩しである。

特に、ペナルティエリア内でワンツーを発動するシーンが多く見受けられる。ワンツーを仕掛けるタイミングで3人目も同時に動き出しているケースが多いのも特徴の1つである。

さかりーにょeyes

横浜F・マリノスにおけるゴール前の見事な崩しの裏側には3つのパターンが存在していた。

もちろん、狭いスペースと激しいディフェンスの中でこれら3つのパターンを遂行するためには高い技術力がベースになるが横浜F・マリノスの前線の選手は控えの選手も含めて狭いスペースでも正確に「前を向いた状態」でプレーする術を知っている。

一方で、このマリノスのゴール前のでも崩しパターンを知っておくことで事前に対策を講じることができるだろう。

試合のハイライトはこちらから!

-Jリーグ, ゲーム分析, ゴール前の崩し分析, ミクロ戦術分析