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【香川真司】2023セレッソ大阪“新境地アンカー”での2つKAGAWAロールと凄みを徹底分析!~2023 J1第33節セレッソ大阪VS京都サンガFC~

©さかりーにょ

小菊監督率いるセレッソ大阪では香川真司選手が4-3-3-の1アンカーとして大活躍しているように見えます。うまく言葉にできないのですが他の選手とは落ち着きが違うように見えるんです。できればセレッソ大阪での具体的な役割と香川選手のアンカーとしての凄みを知りたいのですが・・・

どうも。さかりーにょです。本記事はセレッソ大阪、香川真司選手推しの方のこんな悩みを解決するために2023J1第33節セレッソ大阪VS京都サンガFCのゲームを基に香川真司選手をパーソナル分析していきたいと思います!

本記事の信頼性

・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発

・JFA公認指導者ライセンスB級

・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級

・JFAフィジカルフィットネスC級

・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了

・AEFCA公認マッチアナリストコース修了

・元海外プロサッカー選手&指導者

2023J1第33節セレッソ大阪VS京都サンガFC

スタメン

スタッツ

引用:SPTERIA

セレッソ大阪における香川真司選手役割とは?

セレッソ大阪における香川真司選手の役割は多岐に渡るが、その中でも際立つものは次の2つだ。

KAGAWAロール①:ビルドアップの出口になる

KAGAWAロール②:ゾーンディフェンスにおける司令塔

香川選手の2つの役割(KAGAWAロール)とそのなかで醸し出すか彼の凄みを分析していきたい。

KAGAWAロール①:ビルドアップの出口になる

©さかりーにょ

1つ目の役割はアンカーとして後方からのビルドアップの出口となることだ。

セレッソ大阪は最後尾からビルドアップをする際に相手のプレッシングに合わせることはせず、多くの場合で1GK-2CB-2SB-1AC(香川真司)の台形の頂点の立ち位置を取る。

本試合では、京都サンガFC3トップが「外切り」プレッシングを敢行してきたので香川選手はサンガ3トップの背後でGKやCBからボールを引き出すシーンが目立った。実際に本ゲームに捌いたパスは92本で攻撃のほとんどが香川選手を通して遂行されることが伺える。

引用:SPTERIA

また、個のビルドアップの際の香川真司選手の凄みは「相手を引き付けて出口となるスペースを創る」ということだ。

京都サンガFCの外切りプレスにおける狙いはボールを中央に誘導し、中央のスペースで前向きにボールを奪って一気にショートカウンターを仕掛けることだ。(実際に2回ほどこのプレスは成功していた)

当然ながら香川真司選手は「ボールの取りどころ」として食いつかれ、高強度のプレッシングにさらされる。

このような状況を打開するために香川選手は意図的に低い位置を取り、自身のマーカーである選手を自陣に引きこみスペースを創る。このスペースを使うのがカピシャーバや柴山といった選手たちだ。

実際に香川選手は試合中に幾度となく生れた香川選手の背後のスペースを有効活用するように柴山選手とカピシャーバ選手に指示をしていた。

オフザボールの動きでゲームをコントロールする。まさに、高い経験値と戦術眼が織り成す凄みである。

KAGAWAロール②:ゾーンディフェンスにおける司令塔

セレッソ大阪は守備時に4-4-2の3ラインを形成し、ボールをサイドに誘い込み、サイドを圧縮してボールを奪い切る守備戦術を敷いている。この狙いは京都サンガFCのボールロスト位置を見ても前線からのプレスとサイドでのボール奪取の意図が読み取れる。

引用:SPTERIA

この戦術を遂行するためには、ボールの位置、次に味方の位置を見ながら正しい守備のポジションを決める必要がある。実際には前線、中盤、最終ラインの3ラインの距離を20~25m程度に保ち、選手同士がボールだけでなくお互いの立ち位置と距離感を確かめ合う必要があるのだ。

この際に必要になるのがゾーンディフェンスを遂行させるための「コンダクター」である。

香川選手はネガティブトランディッション(攻撃から守備時への移行時)に味方選手に大きな声とジェスチャーで細かうポジショニングの指示を与えている。特に、守備意識が低いカピシャーバ選手には声を張り上げてかなり厳しい口調でポジションの指示を与えていた。

セレッソ大阪の洗練されたゾーンディフェンスを裏には、ゲームを俯瞰的に観ることができ、的確な熱量で選手に細かくポジションの指示を出すことができる香川真司選手の凄みが潜んでいたのだ。

さかりーにょEyes

確かに今の香川真司選手はドルトムントで活躍したような瞬間的な速さとペナルティエリア内で狭いスペースを搔い潜るようなドリブルからのシュートは見ることが難しいかもしれない。

しかし、トツプオブトップのレベルで確かな経験値を積んできた彼には“ゲーム全体を読む目”とそれぞれのシーンにおおいてほぼ完ぺきな判断をしていることがわかる。

本試合でも攻守におけるBOX to BOXの働きでチームNO1の走行距離をたたき出した。

引用:SPTERIA

そんな目にはなかなか映らない香川真司選手の凄みを観るだけでも十分に試合観戦に行く価値があると分析する。

Twitterで細やかな分析を行っています!是非遊びに来て下さい!

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