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【セレッソ大阪2024第4節】小菊監督が語った勝利の要因4-3-3と4-5-1を使い分ける守備とは?
~サガン鳥栖VSセレッソ大阪~

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サガン鳥栖とセレッソ大阪の試合後監督インタビューで小菊監督が勝因は前半はなかなか前からのプレスがハマらなかったが、しっかりと4-5-1でコンパクトにしのげたことが大きかったと言っていましたが具体的にどういうことか知りたいのですが・・・

どうもさかりーにょです。

本記事は2024 J1第4節サガン鳥栖VSセレッソ大阪 の試合を基にこんな疑問を解決したいと思います!

本記事の信頼性

・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発

・JFA公認指導者ライセンスB級

・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級

・JFAフィジカルフィットネスC級

・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了

・AEFCA公認マッチアナリストコース修了

・元海外プロサッカー選手&指導者

2024 J1第4節サガン鳥栖 VS セレッソ大阪の小菊監督のインタビュー内容はこちら。

Q:今季の中でも、最も苦しい試合だったと思います。特に前半はなかなか守備がハマらず、相手にボールを持たれる時間も長かったが?

A:「鳥栖を分析した時、特にアウェイでは、いつも立ち上がりは苦労します。こういう入りになることも選手たちとは共有していました。ある程度、我慢が必要だということも理解していました。なかなか前からのプレスがハマらなかったのですが、ハイプレスとコンパクト、4-3-3と4-5-1を使い分ける守備、本来なら4-3-3でいきたいところだったのですが、相手の圧を感じながらも、しっかりと4-5-1でコンパクトにしのげたことが大きかったと思います。選手全員が我慢強くやってくれたと思います」

このセレッソ大阪小菊監督のインタビュー内容について以下の点に関して深堀していきたいと思います!

分析①:前半なぜセレッソ大阪の4-3-3フロントプレッシングは機能しなかったのか?

分析②:前半サガン鳥栖の攻撃を4-5-1でコンパクトにしのげた要因とは?

2024 J1第4節サガン鳥栖 VS セレッソ大阪

スタメン

スタッツ

分析①:前半なぜセレッソ大阪の4-3-3フロントプレッシングは機能しなかったのか?

なぜ前半セレッソ大阪のフロントプレッシングは機能しなかったのか?その答えは以下の2点である。

原因①:数的優位を作り出したサガン鳥栖堀米勇輝の効果的な立ち位置

原因②:ロングボールを多用したサガン鳥栖のプレス回避

セレッソ大阪のフロントプレッシングは機能しなかった原因2つ

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原因①:数的優位を作り出したサガン鳥栖堀米勇輝の効果的な立ち位置

セレッソ大阪のフロントプレスではCFと両WGが鳥栖の両CBへプレスをかける(WGがCBにプレスをかけることをジャンプと言う)役割を担う。

この試合では特にクルークスが鳥栖の左CBキムテヒョンにジャンプしたタイミングで後方の連動が追い付かずにビルドアップで前進されたケースが非常に多かった。

この原因が数的優位を作り出したサガン鳥栖堀米勇輝の効果的な立ち位置だ。堀米選手は図の通りセレッソ大阪のプレッシング構造上生まれるズレとスペースを利用して主に左サイドでボールを引き出しビルドアップの出口となっていた。

原因②:ロングボールを多用したサガン鳥栖のプレス回避

また、サガン鳥栖はセレッソ大阪4-3-3プレッシングに対して劣勢になると迷うことなくCF富樫敬真へのロングボールを選択し、プレスを回避していた。

また、サガン鳥栖のCF富樫敬真は意図的に競り合いで優位に立てるセレッソ大阪左CB舩木翔サイドでボールを引き出す工夫をしていた。

分析②:前半サガン鳥栖の攻撃を4-5-1でコンパクトにしのげた要因とは?

セレッソ大阪のフロントプレスが機能せずにサガン鳥栖の前進を許すとセレッソ大阪は即座にリトリートしてコンパクトな4-5-1のブロックを形成した。

セレッソ大阪4-5-1ブロックの仕組み

距離感約10~15mというコンパクトなセレッソ大阪4-5-1ブロックの構築でサガン鳥栖に引き起こした問題は次のようなものだ。

・サガン鳥栖の攻撃スペースがなくなった(特にアンカー田中の両脇を使えなくなった)

・楔のパスを打ち込んでもコンパクトな2ラインでサンドされて回収

・サイド突破を試みてもSB+1IHで2対1を形成されて対応されてしまう

というものだ。

事実、セレッソ大阪が4-5-1のコンパクトなブロックを形成した後はサガン鳥栖はブロックの外側でボールを回されているようなゲーム展開となっていた。

さかりーにょEYEs

2023シーズンは劣勢に置かれた際にゲーム中での修正が上手くできないことが散見されたが本ゲームでは小菊昭雄監督の修正を的確に反映させることができた。また、経験豊富な香川選手も試合中にプレスが上手くハマらないことを修正するために選手たちとコミュニケーションをとっていた。小菊監督がインタビューで答えたようにこのようなプラン通りに行かない難しいゲームを試合中に修正し、我慢しながら勝ち切ることができるのであれば2024セレッソ大阪は大いに期待できる結果を出せるのではないかと期待する。元セレッソ丸橋選手の活躍も嬉しい限りでした!

ちなみに3/30(土)のセレッソ大阪VS湘南ベルマーレはさかりーにょが現地分析を行う予定です!

サレサポの皆さんよろしくです!

サガン鳥栖VSセレッソ大阪激闘のハイライトはこちらから!

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