2024 4局面分析 Jリーグ ゲーム分析 セレッソ大阪(C大阪) プレーモデル

【セレッソ大阪2024第1節】セレッソ大阪2024版プレーモデル分析~セレッソ大阪VS FC東京~

2024シーズンこそタイトル奪取を目指すセレッソ大阪。開幕戦では登里選手の偽サイドバックなど多くの話題を呼んだ新生セレッソ大阪のプレーモデルが知りたいのですが・・・

どうもさかりーにょです。

本記事は2024 J1第1節セレッソ大阪VS FC東京の試合を基にこんな疑問を解決したいと思います!

本記事の信頼性

・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発

・JFA公認指導者ライセンスB級

・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級

・JFAフィジカルフィットネスC級

・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了

・AEFCA公認マッチアナリストコース修了

・元海外プロサッカー選手&指導者

2024 J1第1節セレッソ大阪VS FC東京

スタメン

マッチアップ図

スタッツ

引用:sporteria

2024版セレッソ大阪4局面戦術分析

【4局面戦術分析】局面➀:攻撃分析

~ダイレクトフットボールと緻密なビルドアップのハイブリッド~

2024シーズン開幕戦にC大阪が披露した戦術はより「勝利」という結果を追求したものであった。

自陣ゴールに近い位置でボールを奪われることを極力避けるためにシンプルに9番のレオ・セアラにロングボールを打ち込み、セカンドボールをシャドーの香川真司、奥埜博亮が抜群の予測と動き出しで回収し、突破力に秀でたカピシャーバとルーカス・フェルナンデス&毎熊晟矢に展開、サイドからチャンスを創出するというものだ。実際に、この展開から1点目を奪っただけでなく、幾度となくFC東京の守備網を破壊した。

2024年C大阪フットボールの仕組み【4局面】 

~登里選手の偽サイドバック戦術<3-2-5>~

もう1つの攻撃の特徴はSNS等でも話題となった登里祥平選手の偽サイドバック戦術である。

FC東京が採用する4-4-2のゾーンプレッシングのマークの担当をかく乱させるためにビルドアップ時に左サイドバックの登里祥平選手がCHとして田中駿汰選手と中盤にポジションをとり、3-2-5に可変。これにより、FC東京のマークの縦ずれミスジャッジを生み出し、中盤にスペースを創出。香川真司選手が中盤の真ん中で前向きでプレーできる仕組みを見事に構築した。

登里選手の偽サイドバック戦術の仕組み

また、登り里選手がIHに位置することで、舩木翔選手の左足から1本のパスで突破力があるカピシャーバ選手へボールを運ぶことができるようにデザインされていた。

【4局面戦術分析】局面②:ネガトラ(ボールを失った時)

~選手間の距離の広さで即時奪還が困難な状況に陥っている~

ネガトラ時に即時奪還をテーマにした強度の高い整理されたプレッシングからのショートカウンターは2023シーズンのセレッソ大阪の大きな武器となっていたが、2024シーズンはダイレクトフットボール(後方からレオ・セアラにロングボールを打ち込む)場面が増えたために、選手間の距離が広くなり、ネガトラ時に連動したプレッシングがかけられないシーンが多く見られた。

ロングボールを採用する際の選手間、ライン間の距離に調整をどのように設定するのか、それを実施した際の選手への体力的な負担はどの程度なのかを整理する必要があると分析した。

~田中駿汰選手の両脇が相手カウンターの餌食になっている~

開幕戦ではネガトラ時に防波堤がなく、カウンターを受けることが多かった。その原因となっていたのが田中駿汰選手の両脇のスペースだ。このスペースはFC東京の松木選手や荒木選手に幾度となく制圧され、大きなピンチを招いていた。

具体的な対応としては、WGあるいはIHの中で最も後方にいる選手がネガトラ時に田中選手の横にリトリートして中盤を2枚にすることで与えるスペースを少なくし、相手の攻撃速度を落とすことが可能であると分析する。

【4局面戦術分析】局面➂:守備

~3ラインのゾーンディフェンス~

セレッソ大阪の2024シーズンの守備の基本はゾーンディフェンスである。プレス時にはFWが最前線からワンサイドカットでプレッシングを仕掛け、サイド方向へ相手を誘導。ボールをサイドに蹴らせる、或いはロングボールを蹴らせてボールを回収するというものだ。

また、相手が1stラインを越えてビルドアップに成功した場面では4-4-2のミドルブロックを構築、さらにバイタルに侵入された際にはゴール前に同じく4-4-2のバスを留める。

一方で、ロングボールを蹴らせた際に2023シーズンはヨニッチが対人で勝利していたが、船木選手は空中戦、デュエル共に負けるシーンが多く、ディエゴ・オリベイラに狙われて起点を作られていた。

ゾーンプレスで蹴らせて回収するという狙うを完結させるためにはCBにデュエルに勝利できる選手を配置することは改めて必要であると分析。

【4局面戦術分析】局面④:ポジトラ(ボールを奪った時)

~ゴールに直結するダイレクトフットボールがポジトラの最優先~

ボールを奪ったらゴールへの最速・最短距離を選択する。2024のセレッソ大阪はこれが徹底されている。ボールを奪う→相手最終ラインの背後を狙う→無理ならロングボール・楔で最前線に当てる→香川、奥埜がセカンドを拾う→サイドへ展開→左サイドカピシャーバ独力、右サイドルーカス&毎熊のコンビネーションでチャンス演出という型が徹底されていた。一方で、90分に渡り高強度のポジトラを繰り返すことが出来ずに、終盤には間延びするシーンがかなり散見された。

『2024.2.24. Jリーグ第1節』から読みとるセレッソ大阪プレーモデル分析

最後に小菊監督が率いるセレッソ大阪の「プレーモデル」と攻守における「プレー原則」を本試合の分析を基に勝手に定義していく。

セレッソ大阪プレーモデル

・守備はボールを意図的にサイドに誘導し、前向きでボールを奪う

・攻撃は最も効率的で最短距離でゴールまで到達できるプレーを選択する

セレッソ大阪プレー原則【攻撃編】

【主原則:シンプルで縦に速い攻撃】

<細則>

・ボールを奪った後にまずは相手の背後、楔、斜め、横、後ろの優先順位

・相手を自陣に侵入させることで産みだしたスペースを素早く効果的に使う

・ビルドアップ時には左SBをIHとして可変することで相手のマークをずらす

・サイドで1対1の状況を意図的に作りだす

・相手の守備が整った場合には幅と深さを保ちトライアングルを形成しながら相手SBの背後を取る

セレッソ大阪プレー原則【守備編】

【主原則:連動した守備で少しでも高い位置で前向きにボールを奪う】

<細則>

・ボールを上われた後に即時奪還を目指す。難しい場合にはリトリートしてゾーンディフェンスに変更

・ファーストディフェンスのプレスと相手の体の向き状態で後方が連動する

・サイドにボールを誘導して前向きでボールを奪い、カウンターにつなげる

さかりーにょEYES

2023シーズンからの課題であるセレッソ大阪の「ゲームコントロール」。この課題は前年ながら2024シーズンも解決できていない模様だ。終始ゲームをリードしながらもゲームスピードをコントロールできない(主導権を握れない)、守り切る術(ローブロックにしてカウンター)というはっきりとしたプランもないという状態からの失点引き分けという結果はファンからするとやはり面白くない。

早急に明確かつ周到な準備をしたゲームプラン作成は必要である。さかりーにょを分析スタッフとしいて採用することも真剣に検討する余地があるだろう。

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