どうもさかり―にょです!
“全員超人”のキャッチフレーズを引っ提げてメッシ、ネイマール、ムバッペと早々たるメンバーで来日したPSGのジャパンツアー2022。
お祭り騒ぎの日本とは裏腹にチャンピオンズリーグ優勝を至上命題に課されているガルティエ新監督にとってはリーグ開幕までに数少ない実践の場とあって戦術の落とし込みの場としても重要な機会。
今回は、そんな2022-23シーズンの新制PSGのキーマンであるモロッコ代表ハキミ選手を7月25日(月)に開催されたガンバ大阪戦をもとに分析していきます。
スタッツ
スタメン
本記事の内容
ガルティエ監督の基本戦術
ガルティエ監督が日本で行われた3試合一貫して3-4-3を採用。
守備時には両WBが最終ラインに吸収されて5枚の最終ラインを形成し、5-2-3のブロックを形成。攻撃時には3-4-3に可変することが特徴。
システムの特性上WBへ相当な負担がかかることからWBを担う選手はガルティエ式3-4-3の戦術遂行において非常に重要な責務を担うことになる。
ハキミ選手にみるWB「守備の役割」
ROLE①:守備時にCB脇スペースカバー
PSGは攻撃時と守備時に異なる配置を採用している。特にWBは守備時に3バックの脇のスペースまでリトリートし、5バックを形成することで相手の侵入を防ぐ。
ROLE②:サイドでボールを取り切る力
PSGのプレッシングは前線、中盤共に「サイド方向へボールを迂回させることを主原則」としていることが伺える。ボールを意図的にサイドに誘導し、奪い切る狙いがある。ハキミにはPSGのボールを奪うフェーズでの仕上げであるハキミには1対1の場面で「高強度でボールを刈り取る能力」が求められている。ハキミ選手はスピードとアジリティに優れるためにワンサイドカットで相手を追い込むというよりも駆け引きをしないでリアクションで相手の出方を見てからでもボールを奪うことで切ることも大きな特徴である。
ハキミ選手にみるWB「攻撃の役割」
ROLE①:攻撃の『幅』を作る
ハキミは大外とハーフスペースを的確に移動して攻撃に関与することで攻撃に幅をもたらす。
①-aビルドアップ時に大外を取ることでCBラモスの選択肢を増やす
①-bインナーラップでワイドに開いたサラビアの内側ハーフスペースを駆け上がって攻撃参加
ROLE②:正確無比のクロスで得点機を演出
ハキミ選手は「ピンポイントの高速クロス」、「ディフェンスとGKの間に通す低空高速クロス」、そして「切り替えしてぺナ角付近から左足で上げる巻き込みクロス」の3種類を状況によって使い分ける。
ROLE➂:カウンター発動時のフィニッシャー(66分のカウンター)
爆発的なスプリント力を活かしてカウンター時には最終ラインからゴール前まで一直線に駆け上がり、フィニッシュまでもっていく。ハキミ選手はカウンター時にはフィニシャーとしての役割も担っている。
さかり―にょeyes
ガルティエ監督が志向する戦術においてWBには攻守に渡って多くの原則を遂行するためのインテリジェンスと広範囲をカバーする強靭なフィジカル、そして高い技術が求められる。
ハキミ選手はこれらの要素をトップレベルで兼ね備えている世界最高のWBの1人であると言える。
3バックシステム採用の鍵はWBが高いレベルで遂行できる選手を配置できるかが大きなポイントになると分析。