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【セレッソ大阪2024第13節】セレッソの左サイドが崩され続けた“本当の原因”とは?~セレッソ大阪VS ヴィッセル神戸~

ヴィッセル神戸は試合を通してセレッソ大阪の左サイドを崩し続けているように感じました。左サイドバックの船木選手が批判されていますが本当に船木選手だけが問題なのですか?また、なぜ試合中に修正できなかったのでしょうか?このあたりの理由が知りたいのですが・・・

どうもさかりーにょです。

本記事ではこの理由をすっきりさせるために2024 J1第13節セレッソ大阪VSヴィッセル神戸の「前半」を題材に分析をしていきましょう!

本記事の信頼性

・年間平均200試合以上を分析しながらオリジナルの「さかりーにょ分析メソッド」開発

・JFA公認指導者ライセンスB級

・CAF(アフリカ大陸サッカー指導者) C級

・JFAフィジカルフィットネスC級

・IFCO公認サッカー戦術アナリストベーシックコース修了

・AEFCA公認マッチアナリストコース修了

・元海外プロサッカー選手&指導者

本記事の内容

2024 J1第13節 セレッソ大阪 VS ヴィッセル神戸

スタメン

スタッツ

©スポテリア

セレッソ大阪の左サイドが崩され続けた原因と修正法とは?

セレッソ大阪は前半だけで7回も左サイドを破られている。

具体的には、

①10:46-CBのロングパス1本でサイド背後を破られる

②13:51-DMのサイドチェンジから左サイドを破られる

③25:13-CBのロングパス1本でサイド背後を破られる

④25:32-FW/SB/IHの連携で左サイド背後を破られる

➄【失点】37:53-FW・右サイドからの崩しから左サイドで失点

⑥44:50-大迫選手のポストプレー、レイオフから左サイドを破られる

⑦46:00-武藤選手に船木選手が1対1で抜かれる

というものだ。

この7つの左サイドを崩された現象をカテゴリー毎に分け、その原因を分析すると次のようになる。

また、それぞれのさかりーにょ的修正法についても提案していく。

【カテゴリー①:CBからのロングボールによる崩し】

・10:46-CBのロングパス1本でサイド背後を破られる

・25:13-CBのロングパス1本でサイド背後を破られる

<原因>

・CBのボールホルダーに対するプレスがかかっていないために、後方の選手は予測ができずに対応が後手になる。プレスがかからない原因はレオセアラ1人でGKと2CBの3人を担当しているため。

・最終ラインがバラバラ。船木選手は武藤選手をオフサイドポジションに置いているが、ハブナー選手は残っているために1本のパスで背後を取られている。ボールホルダーにプレスがない状況でも高いラインをキープすることも背後を取られた要因の1つ。

<修正法>

・プレス時4-4-2にして役割を明確にすることで1本のパスで背後を取られる可能性は減少する。

・ラインの設定基準を明確にする

【カテゴリー②:サイドチェンジからの崩し】

・13:51-DMのサイドチェンジから左サイドを破られる

<原因>

・4-5-1のブロックを形成した際のエリア担当が不明瞭のためにスライドをスムーズに行えていない。

<修正法>

・4-5-1ブロック形成時の個々の守備範囲を明確にする

【カテゴリー③:ポストプレーからサイドを使われる】

・25:32-FW/SB/IHの連携で左サイド背後を破られる

・【失点】37:53-FW・右サイドからの崩しから左サイドで失点

・44:50-大迫選手のポストプレー、レイオフから左サイドを破られる

<原因>

・大迫選手のポストプレーに対するチェックが甘い。また、レイオフからの展開に対して田中選手の1アンカーでは対応が後手になり、カウンターを遅らせることができない。

<修正法>

・大迫選手へのチャレンジ強度を上げる。そのためにチャレンジ&カバーの役割を明確にする

・攻撃から守備への切り替え時に田中選手の脇を使われるシーンが多い。このために、IHは即座にリトリートし、場合によってはCBがマンツーマン気味に下りていく選手を捕まえに行く。

【カテゴリー④:1対1のデュエル】

・46:00-武藤選手に船木選手が1対1で抜かれる

<原因>

・スピード・身体能力の差を考慮に入れた1対1の対応ができなかった。

<修正法>

・1対1での対応は抜かれない対応をすることが優先。スペースをもう少しとっても良い。また、CBのカバーポジションが悪く、2対1で守れるところを1対1の状況にしてしまっていた。

さかりーにょEYEs

ここまでの分析の通り、左サイドを破られ続けた原因は船木選手だけの責任ではない。チーム構造上で修正できるポイントが最低でも4つはあった。このポイントを落とすことなく試合中に修正できていれば試合展開は大きく異なるものになっていただろう。

かつてのドルトムントやリーズにおけるマリッチのようにさかりーにょをベンチにおいて的確な分析&修正の提案を常時抽出できる環境を整えることでより勝率を高めることができると分析する。

セレッソVSヴィッセル神戸のハイライトはこちらから!

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